建具は引戸 一級建築士の家

引き戸と開き戸

部屋の中の建具、いわゆる内部建具ですが、大きく分けて開き戸と引戸の形状にわかれます。

住宅を設計するうえで、施主の希望を聞くのですが、形状についてはあまり気にしていない施主が多いです。

そういう場合は、引戸を勧めるようにしています。

引き戸のメリット

なぜ引戸を勧めるのか?

引戸は開き戸に比べて、扉を開けた状態の場合に扉が邪魔にならないので使い勝手がいいです。

トイレなどの開き戸の向こう側で人が倒れた場合、人が邪魔をして扉を開く事が出来ませんが、引き戸であれば開かない事も防げます。

開き戸に比べて、引戸は定価ベースでは何割か値段が高いですが、あくまで定価ベースですので、建物全体の中では微々たる差ですので、価格についてはほとんど差はないと考えていいと思います。

また、引戸の方が開き戸よりも気密性が通常は低いですが、住宅用の建具であれば、開き戸も下部にアンダーカットを取って、空気を入れ替えれるようになっていますので、気密性については特に考えなくていいです。

開閉時の指詰めに関しても、引き戸であればソフトクローズといって、最後にゆっくり閉まる機能が備わっている物が多いので、安心です。

危険なブロック塀とは

そのブロック塀は安全ですか

道路を歩いていると、見るからに危険なブロック塀を見かけます。

台風や地震などの時に、非常に危ない為、すぐにでも撤去してほしいと思うのですが、持ち主の知識不足や資金不足でなかなか撤去されないのが現実です。

そのような危険なブロック塀から身を守るには、危険なブロック塀に近寄らない事が1番の最善策です。

しかし、どのようなブロック塀が危険なのでしょうか。

危険なブロック塀とは

ブロック塀には、法律で基準が定められており、危険なブロック塀を外部から見分けるには

高さが2.2m超え(ブロック11段)

高さが1.2m超えで控え壁がない(ブロック7段で控え壁なし)

の2点で判断出来ます。

ブロックは1段が20cmですので、ブロックが11段以上あれば危険な可能性が高まります。

また、控え壁は下記のイラストを見てもらえばわかると思いますが、ブロックを支える壁になっていますので、ない場合は危険と判断しても間違いありません。但し、1.2m以下のブロック塀は、控え壁は不要ですので、6段以下であれば控え壁がなくても問題ありません。

控え壁については、基準通りに施工されていない場合が多いので7段以上のブロック塀は危険と思っていてもいいと思います。

また、ブロックの厚さは、高さが2mまでは12cm、高さが2mを超えると15cmが理想です。

普段通行している場所のブロック塀を一度確認してみて、怪しいブロック塀があれば注意して下さい。

トイレは何カ所が正解か? 一級建築士の家

トイレは家に何ヶ所必要なのか?

色々な考え方はありますが、これから住宅を設計するならトイレは二カ所計画しましょう。

今までたくさんの住宅を設計して、その後、施主に話も聞いてきましたが、一カ所設置した人は、やはり二カ所設置すればよかったと言われる人が多いです。

家族で出かける前、朝起きた時、家族は同じような行動をとる事が多いです。

トイレに行く時間は、どうしても同じような時間帯になってしまうので、家族が4人以上なら二カ所のトイレがあると便利です。

トイレが二ヶ所あれば、お腹が痛くてトイレにこもっていたい時でも、外から焦らされる事もありません。

これから住宅を計画するならトイレは二カ所以上計画してください。

ユニットバス VS 在来浴室

ユニットバス VS 在来浴室 どっちがおすすめ

在来浴室とは、浴槽を浴室内に固定してタイル等を貼った浴室の事で、ユニットバスとは、ユニット式の物を現場で組み立てる浴室です。

昔の住宅は、ほとんどが在来浴室で、近頃の建売住宅はほぼ全てユニットバスとなっています。

どちらの方が優れているか、一長一短ですが、自分としてはユニットバスの方が優れていると感じます。

まず第一に、施工が簡単な事があげられます。施工が簡単という事は、施工上でのミスも出にくく、職人の腕にも左右されないので、品質にばらつきが出ません。

また、在来浴室の場合は、コーキング等打ち替え等のメンテナンスがユニットバスに比べて多く、タイル等の剥がれも発生する可能性が高いです。

石貼等の在来浴室は高級感もあり、ユニットバスにはない雰囲気を味わう事が出来るので否定はしませんが、これから住宅を建てるのであれば、ユニットバスをお勧めします。

点検口は必要 一級建築士の家

点検口の大切さ

点検口とは、天井や壁、床に設置する天井内や床下等を点検する為のものです。

住宅は、年月とともに劣化していきます。

蟻害、雨漏り、結露等々 定期的に点検を行うことで 大きな不具合にならなくてすむので点検はとても大切です。

しかし点検口がなければ、簡単に点検は出来ません。

壁を点検したければ壁を壊す必要がありますし、床下を点検したければ床を壊す必要があります。

これからマイホームの購入や計画をしている人は、きちんと建物を点検できるように点検口を設置するようにして下さい。

1階の床下のキッチン収納は、兼用する事も出来ますのでお勧めです。

あとは、各部屋の天井(押入れやクローゼット内)に設置してあると便利です。

点検口は、新築のときに設置するのであれば、たいして費用はかかりませんので設置を心がけて下さい。

ただし、業者によっては、あまり意味のない場所に設置したり、必要な場所になかったりしますので注意が必要です。

点検口があれば、あとから電気の配線工事やLAN工事を行う際にも便利ですよ。

無垢の床材は使用しない 一級建築士の家

自分の家を設計するなら、無垢の床材は使用しません

無垢の床材は、値段は高いですが、高級感があり、たしかに見た目もいいです。

肌触りもいいですし、木の香りもよく気持ちのいい空間になります。

それなら、なぜ無垢の床材を使わないのか。

まったく使わないわけではないですが、少なくとも自分の家には採用する事はないと思います。

それはなぜか?

無垢の床材にはメリットだけではなく、大きなデメリットもあるからです。

無垢の床材の一番のデメリット

無垢の床材は、どうしても年月とともに反ってくるのです。

それが味だと言われる施主もおられますが、自分の家を設計に採用するのは躊躇します。

床材を貼り換えるには、家具や荷物を移動させなければならないため、そう簡単には何度も貼替はしたくないのです。

貼替費もかかりますし、キズにも弱いです。

しかも、床暖房を使用する場合は、反りが早まります。

ここに上げたデメリットが全てではありませんが、メリットを上回るデメリットだと考えています。

無垢の床材を検討している方は、上記のデメリットも考慮して採用して下さい。

吹抜は作らない 一級建築士の家

吹き抜けのメリット

吹き抜けのメリットといえば、高い天井を確保できて、気持ちの良い空間を創れる事が一番のメリットであると思います。

また、吹き抜け部分に大きな窓を設ける事で、非常に明るい空間を演出する事も出来ます。

住宅の設計をしていて施主と打合せをすると、吹抜を作りたいと希望される事がよくあります。

たしかに吹抜は、開放感もありますしお洒落な雰囲気もあるので希望されるのもよくわかりますし、工事が完了した吹抜のある住宅はいい感じです。

しかし、自分の家を設計するなら、吹抜は作りません。

それはなぜか?

雰囲気だけなら吹抜は最高ですが、住むことになるとデメリットもあるんです。

吹き抜けのデメリット

1.掃除がやりにくい  吹き抜け部分の壁や照明器具の掃除をするのに手が届かないので大変

2.照明器具の電球が替えづらい

3.冷暖房が効きにくいので、電気代が高くつく

4.構造上、どうしても弱くなりやすい

などがあげられます。

特に、構造が弱くなりやすいのは、地震大国日本では避けたいところです。

きちんと構造計算を行えば、構造も弱くなりませんが、木造2階建てであれば、筋交い計算のみの場合が多いので、やはり不安は残ります。

上記の理由で、自分の家を設計するなら吹き抜けは作りません。

建築基準法上の道路とは

建築基準法上の道路って何?

一口に道路と言っても、様々な法律で道路の定義がありますが、今回は建築基準法上の道路について解説したいと思います。

建物を建てる場合、建築基準法を守る必要があり、建築基準法の中で、建築確認申請の事や、道路の定義がされています。

2m以上道路に接しなければ建物が建てられない

建築基準法では、建物を建てるためには、原則2m以上道路に接しなければならないとされています。

建物を建築する際に必要な確認申請の審査において、建築基準法上の道路に2m以上接しているかの確認がなされます。

紛らしいのですが、2m以上接しなければならない道路は、建築基準法上の道路なのです。建築基準法が定義する道路には、国道や府道、県道、市道、位置指定道路等と、大抵の道路が含まれるのですが、入り組んだ細い道路や行き止まりの道路等の中には、建築基準法上の道路ではない道路が存在します。

現地で道路を見ただけでは判断できない事が多いので、その場合は役所の建築指導課等に行って建築基準法上の道路か確認する必要があります。

一見道路に見えても「建築基準法上の道路じゃない道路」の可能性がありますので、土地を購入する際には気を付けなければならないポイントです。

結論

土地を購入する際には、建築基準法上の道路に2m以上接しているか確認する必要がある

土地を購入する際に気を付ける3つのポイント

土地を購入する際の注意点

以前の記事で、「中古住宅を購入する場合のチェックポイント」を紹介しましたが、今回は「土地を購入する場合に気を付けるポイント」を紹介したいと思います。

土地を購入する場合に気を付けたいポイントは色々ありますが、何点かに絞って紹介したいと思います。

境界明示

以前の「中古住宅を購入する場合のチェックポイント」でも紹介しましたが、やはり境界がハッキリしていることは重要です。

どこまでが自分の土地かわからなければ、建物の計画にも影響が出ますので、民民の隣地境界明示があるかの確認を不動産業者にして下さい。

土地を購入してから、隣地の所有者から「ここまでは自分の敷地だ」と言われる可能性もあるわけです。

実際に、土地の境界に関するトラブルはよくありますので気を付けて下さい。

用途地域

日本全国の土地は、都市計画区域等が定められており、都市計画区域の中で、市街化区域と市街化調整区域に分かれ、さらに市街化区域の中に用途地域が定められています。

用途地域は、第一種住居地域や商業地域、工業地域等、13種類の地域に分けられており、その地域によって建てられる建物の種類が定められています。

住宅であれば、工業専用地域以外の用途地域であれば建築出来ますが、工業地域に住宅を建てても周りは工場ばかりの可能性もあります。

今は廻りも全て更地でも、自分が家を建ててから、隣に工場が出来る可能性もあるわけですから、工業地域は、工場付住宅等の計画がない限り、住宅を建てるための敷地を購入する事はお勧めできません。

おすすめは、用途地域の中に、「住居」と入っている用途地域です。13種類の用途地域の内、8種類が住居と付いていますので、出来る限り「住居」と付く土地を購入して下さい。

前面道路の幅員

前面道路とは、敷地が接している道路の事ですが、まず道路幅員が狭ければ、駐車場への駐車が大変になります。

しかも経験上、狭い道路に限って、道路にまで植木鉢や自転車が道路に置いてあります。

すでにローカルルールが出来上がっている事も多く、後から建物を建てて引っ越す場合は、戸惑う事も多く、しかも、道路が狭ければ、住宅を建築する工事期間中に、近隣に迷惑をかけてしまう事が増えますので、狭い道路は避けたいです。

また、住居系の用途地域では、容積率は前面道路の幅員*0.4 の計算で算出された数値以下にしなければならない為、容積率200%の土地でも、前面道路が4mしかなければ、4*0.4=1.6で、160%までしか、建物を建築する事は出来ません。

以上の事から、5m以上、出来れば6m以上の前面道路がある土地の購入をおすすめします。

以上、3点の「中古住宅を購入する場合のチェックポイント」を紹介させていただきましたので、土地を購入する際に参考にして下さい。

コロナウイルスの影響

建築業界におけるコロナウイルスの影響

世界で流行しているコロナウイルスで、建築業界にも影響がでています。

ウォシュレットや建材メーカーの建具等の部品が中国から入って来ないため、製造が出来ず入荷の目途がたっていません。

長引けば、さらに様々な製品に影響がでると思いますので、これから建物の新築やリフォームを検討されている方は注意してください。

施工中に工事がストップする事も考えられますので、工事担当に確認しておいた方がいいと思います。