建具は引戸 一級建築士の家

引き戸と開き戸

部屋の中の建具、いわゆる内部建具ですが、大きく分けて開き戸と引戸の形状にわかれます。

住宅を設計するうえで、施主の希望を聞くのですが、形状についてはあまり気にしていない施主が多いです。

そういう場合は、引戸を勧めるようにしています。

引き戸のメリット

なぜ引戸を勧めるのか?

引戸は開き戸に比べて、扉を開けた状態の場合に扉が邪魔にならないので使い勝手がいいです。

トイレなどの開き戸の向こう側で人が倒れた場合、人が邪魔をして扉を開く事が出来ませんが、引き戸であれば開かない事も防げます。

開き戸に比べて、引戸は定価ベースでは何割か値段が高いですが、あくまで定価ベースですので、建物全体の中では微々たる差ですので、価格についてはほとんど差はないと考えていいと思います。

また、引戸の方が開き戸よりも気密性が通常は低いですが、住宅用の建具であれば、開き戸も下部にアンダーカットを取って、空気を入れ替えれるようになっていますので、気密性については特に考えなくていいです。

開閉時の指詰めに関しても、引き戸であればソフトクローズといって、最後にゆっくり閉まる機能が備わっている物が多いので、安心です。

トイレは何カ所が正解か? 一級建築士の家

トイレは家に何ヶ所必要なのか?

色々な考え方はありますが、これから住宅を設計するならトイレは二カ所計画しましょう。

今までたくさんの住宅を設計して、その後、施主に話も聞いてきましたが、一カ所設置した人は、やはり二カ所設置すればよかったと言われる人が多いです。

家族で出かける前、朝起きた時、家族は同じような行動をとる事が多いです。

トイレに行く時間は、どうしても同じような時間帯になってしまうので、家族が4人以上なら二カ所のトイレがあると便利です。

トイレが二ヶ所あれば、お腹が痛くてトイレにこもっていたい時でも、外から焦らされる事もありません。

これから住宅を計画するならトイレは二カ所以上計画してください。

点検口は必要 一級建築士の家

点検口の大切さ

点検口とは、天井や壁、床に設置する天井内や床下等を点検する為のものです。

住宅は、年月とともに劣化していきます。

蟻害、雨漏り、結露等々 定期的に点検を行うことで 大きな不具合にならなくてすむので点検はとても大切です。

しかし点検口がなければ、簡単に点検は出来ません。

壁を点検したければ壁を壊す必要がありますし、床下を点検したければ床を壊す必要があります。

これからマイホームの購入や計画をしている人は、きちんと建物を点検できるように点検口を設置するようにして下さい。

1階の床下のキッチン収納は、兼用する事も出来ますのでお勧めです。

あとは、各部屋の天井(押入れやクローゼット内)に設置してあると便利です。

点検口は、新築のときに設置するのであれば、たいして費用はかかりませんので設置を心がけて下さい。

ただし、業者によっては、あまり意味のない場所に設置したり、必要な場所になかったりしますので注意が必要です。

点検口があれば、あとから電気の配線工事やLAN工事を行う際にも便利ですよ。

無垢の床材は使用しない 一級建築士の家

自分の家を設計するなら、無垢の床材は使用しません

無垢の床材は、値段は高いですが、高級感があり、たしかに見た目もいいです。

肌触りもいいですし、木の香りもよく気持ちのいい空間になります。

それなら、なぜ無垢の床材を使わないのか。

まったく使わないわけではないですが、少なくとも自分の家には採用する事はないと思います。

それはなぜか?

無垢の床材にはメリットだけではなく、大きなデメリットもあるからです。

無垢の床材の一番のデメリット

無垢の床材は、どうしても年月とともに反ってくるのです。

それが味だと言われる施主もおられますが、自分の家を設計に採用するのは躊躇します。

床材を貼り換えるには、家具や荷物を移動させなければならないため、そう簡単には何度も貼替はしたくないのです。

貼替費もかかりますし、キズにも弱いです。

しかも、床暖房を使用する場合は、反りが早まります。

ここに上げたデメリットが全てではありませんが、メリットを上回るデメリットだと考えています。

無垢の床材を検討している方は、上記のデメリットも考慮して採用して下さい。

吹抜は作らない 一級建築士の家

吹き抜けのメリット

吹き抜けのメリットといえば、高い天井を確保できて、気持ちの良い空間を創れる事が一番のメリットであると思います。

また、吹き抜け部分に大きな窓を設ける事で、非常に明るい空間を演出する事も出来ます。

住宅の設計をしていて施主と打合せをすると、吹抜を作りたいと希望される事がよくあります。

たしかに吹抜は、開放感もありますしお洒落な雰囲気もあるので希望されるのもよくわかりますし、工事が完了した吹抜のある住宅はいい感じです。

しかし、自分の家を設計するなら、吹抜は作りません。

それはなぜか?

雰囲気だけなら吹抜は最高ですが、住むことになるとデメリットもあるんです。

吹き抜けのデメリット

1.掃除がやりにくい  吹き抜け部分の壁や照明器具の掃除をするのに手が届かないので大変

2.照明器具の電球が替えづらい

3.冷暖房が効きにくいので、電気代が高くつく

4.構造上、どうしても弱くなりやすい

などがあげられます。

特に、構造が弱くなりやすいのは、地震大国日本では避けたいところです。

きちんと構造計算を行えば、構造も弱くなりませんが、木造2階建てであれば、筋交い計算のみの場合が多いので、やはり不安は残ります。

上記の理由で、自分の家を設計するなら吹き抜けは作りません。