吹抜は作らない 一級建築士の家

吹き抜けのメリット

吹き抜けのメリットといえば、高い天井を確保できて、気持ちの良い空間を創れる事が一番のメリットであると思います。

また、吹き抜け部分に大きな窓を設ける事で、非常に明るい空間を演出する事も出来ます。

住宅の設計をしていて施主と打合せをすると、吹抜を作りたいと希望される事がよくあります。

たしかに吹抜は、開放感もありますしお洒落な雰囲気もあるので希望されるのもよくわかりますし、工事が完了した吹抜のある住宅はいい感じです。

しかし、自分の家を設計するなら、吹抜は作りません。

それはなぜか?

雰囲気だけなら吹抜は最高ですが、住むことになるとデメリットもあるんです。

吹き抜けのデメリット

1.掃除がやりにくい  吹き抜け部分の壁や照明器具の掃除をするのに手が届かないので大変

2.照明器具の電球が替えづらい

3.冷暖房が効きにくいので、電気代が高くつく

4.構造上、どうしても弱くなりやすい

などがあげられます。

特に、構造が弱くなりやすいのは、地震大国日本では避けたいところです。

きちんと構造計算を行えば、構造も弱くなりませんが、木造2階建てであれば、筋交い計算のみの場合が多いので、やはり不安は残ります。

上記の理由で、自分の家を設計するなら吹き抜けは作りません。

自分の家を自分で設計する事は可能か

自分の家を自分で設計する事は出来るのか?

建物の設計をするためには、建築士の免許が必要です。

これは法律で決まっており、建築士の独占業務となっています。

建築士の免許には、大きく分けて、一級建築士と二級建築士があり、設計できる建物の規模が異なっています。

一級建築士であれば、どんなに大きな建物でも設計する事が出来ます。

建物の設計が建築士の独占業務ですから、建築士の免許がなければ、自分の家でも設計が出来ないと思われますが、実は、木造2階建て 延べ床面積が100㎡以下の住宅であれば設計する事が可能です。

建築士法第3条で定めています。

但し、業務として報酬を貰うことは出来ず、業務として行うには、建築士事務所に所属する建築士でなければ、業務として行うことは出来ません。

木造の100㎡以下の住宅になりますが、自分の家の設計をする事は可能ですので、一度チャレンジしてみるもの面白いかもしれません。

いざ設計を進めていくと、間取りはなんとかなると思います。

しかし、一番の難関は建築確認申請と思います。

建築確認申請とは、役所に図面や書類を提出して問題ないか確認してもらう申請です。

木造2階建てでも簡単な筋交い計算という構造検討が必要であったり、建築士であれば当然知っているとして免除されている規定も全てクリアした図面や書類を用意する必要があります。

結論

不可能ではありませんので、大きさに制限がありますが、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

自分の敷地なのに自由に建物が建てられない?

自分の土地なのに

一般の方と建物の設計でお話をしていますと、

「なぜ自分の敷地なのに自由に建てられないの?」

とよく言われます。

マイホームを建てるために高いお金を払って土地を購入した人

今まで住んでいた家の建て替えを検討している人

住んでいる家が少し狭くなったので、増築を検討している人

様々な方がおられますが、共通していることは、

「なぜ自分の敷地なのに自由に建てられないの?」です。

そう思うのは当然で、特に都会の土地であれば高額ですから、自由に建物を建てたいと思うことは不思議ではありません。

ただ、世の中にはルールがあり、闇雲に建物を建てられなくなっています。

みんなが勝手に建てだしたら

よく考えてみて下さい。

自分の家を敷地一杯に建てて5階建てにした場合、自分の家だけでは問題にならないかも知れませんが、みんながみんな、好き勝手に建てたらどうなるでしょうか。

窓から太陽光が入らない住宅になってしまうかもしれません

隣同士が近すぎると火事の時に隣の建物に延焼してしまうかもしれません

住宅の横に工場が出来て、騒音や振動で住みにくくなるかもしれません

みんなが好き勝手に建ててしまうと、生活しにくいのは想像がつくと思います。

そこで、災害に強く、生活環境が良く、利便性の高い街にするためにルールを定めているのです。

建物の建築ルールを定めているのが建築基準法で、敷地に対する建物の大きさや建物の構造強度、道路からの空き寸法、窓の大きさ等 様々な事が定められています。

ですので、

「なぜ自分の敷地なのに自由に建てられないの?」

と言われれば、

「様々な法規をクリアした上で自由な建物は建てられますよ」

と答えるようにしています。 法規をクリアさせつつ、お客様の要望を叶える このバランスが大事なのです。